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大阪地方裁判所 昭和42年(ワ)3518号 判決 1970年1月31日

原告 株式会社テルミー

右訴訟代理人弁護士 藤上清

被告 日本ヘアカラー株式会社

外一名

右被告ら訴訟代理人弁護士 嘉根博正

外三名

主文

被告日本ヘアカラー株式会社は原告に対し、金五七二万円とこれに対する昭和四二年七月二〇日から完済に至るまで日歩四銭の割合による金員を支払え。

原告の被告宝椅子販売株式会社に対する請求はこれを棄却する。

訴訟費用中、原告と被告日本ヘアカラー株式会社間に生じた分は同被告の、原告と被告宝椅子販売株式会社間に生じた分は原告の各負担とする。

この判決中、原告勝訴部分に限り仮りに執行することができる。

事実

<全部省略>

理由

一、(原告の被告ヘアカラーに対する請求について。)

(一)、被告は原告の本訴請求は訴の利益を欠くので却下すべきであると主張するので判断する。<証拠>によると、原告が本訴において主張する請求権につき執行証書による債務名義の存することは明らかであるが、右執行証書に記載された請求権はその実体上の存否について未だ何らの公権的な判断をうけていないものであり、かつ原告の主張より解して、公正証書作成後一部弁済があって当初の請求権に変動があったものと推察される。したがってその請求権の存否について、相手方より攻撃をうける抽象的危険は多いものと言うべきであるから、その請求の現存につき本案判決をもって積極的に確定する利益を有するものといわねばならない。又被告が清算手続に入ったことは本件記録に徴し推認できるが、このことをもって、原告が本訴請求するにつきその利益を欠くものということもできない。よって被告の右主張は採用しない。<以下省略>。

(裁判官 中田耕三)

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